Vinylether Monomer(ビニルエーテルモノマー)
当社では、エチレンプラントから得られるアセチレンを原料として、ビニルエーテルモノマーを製造しています。
ビニルエーテルモノマーは、アセチレンとアルコールを塩基性触媒下で反応することで製造します。
この方法は一般的にレッペ法と呼ばれています。
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ビニルエーテルモノマーの特徴
- 類似構造の(メタ)アクリレートモノマーに比べて、低粘度・低表面張力です。
- 類似構造の(メタ)アクリレートモノマーに比べて、低刺激性を有しております。
- 様々な反応性を有しており、各種モノマーとの共重合体の合成も可能です。
当社の製品、開発品のご紹介
- モノビニルエーテル、ジビニルエーテル、水酸基含有ビニルエーテルなど、様々なタイプの合成実績がございます。
- お客様からのお問い合わせに応じて、表内以外のビニルエーテルモノマーについても合成実績がございます。
サンプルのご請求につきましては、製品は化成品2グループまで、開発品は事業開発室までお問い合せください。
期待される用途
- インク・塗料・現像剤
- 粘着テープ・接着剤・シート
- インプリント・レジスト・光学部材・電子材料部材
多数の特許公報にて、ビニルエーテルを用いた材料等が報告されており、その有用性が確認されております。
特許公報一覧をまとめておりますので、こちらからご参照ください。
物性情報
粘度
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- ビニルエーテルモノマーは、これらに類似した構造を有する(メタ)アクリレートモノマーに
比べて低粘度です。 - 低粘度であるためハンドリング性が良く、粘度調整剤としても有用です。
表面張力
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- ビニルエーテルモノマーは、これらに類似した構造を有する(メタ)アクリレートモノマーに
比べて低表面張力です。 - 低表面張力であるため、濡れ性が良く、接着力の向上に寄与することが期待できます。
様々な反応性
ビニルエーテルモノマーのカチオン重合性は一般的に知られていますが、一部のビニルエーテルはラジカル重合性を有しております。
独自の特許技術を保有していますので、お問合せ下さい。(事業開発室)
単独重合だけでなく、グリシジルエーテルモノマーやアクリレート/メタクリレートモノマーとの共重合が可能であり、
高い電子受容性をもつモノマー(フルオロオレフィン、無水マレイン酸)と完全交互共重合します。
また、ビニルエーテルモノマーは、アセタール化反応やエン・チオール反応など、各種反応性官能基との反応性を有しております。
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反応例
カチオン重合(大阪大学大学院理学研究科 青島研究室 共同研究)→青島研究室HPリンク
リビングカチオン重合
- ビニルエーテルモノマーはリビングカチオン重合により、狭分散性ポリマーの合成や、種々のビニルエーテル類からなるブロックコポリマーの合成が可能です。
<特許例>ABA型トリブロック共重合体及びその製造方法.特許第5662526号
オキシランとのビニル付加・開環カチオン共重合
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- ビニルエーテルと、オキシラン(エポキシド)の共重合体は生成しないとされてきました。
- 開環した際に比較的安定なイソブチレンオキシド (IBO) を用いて共重合を検討した結果、ビニル付加・開環カチオン共重合を達成しました。
アルデヒド類との交互カチオン共重合
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- アルデヒドモノマーは天井温度が低く、単独でのカチオン重合は進行しません。
- 共役アルデヒドモノマーとビニルエーテルモノマーの共重合を検討したところ、適切な開始剤系の使用により交互性の共重合体が得られることを見出しました。
ラジカル重合(福井大学大学院工学研究科 杉原研究室 共同研究)→杉原研究室HPリンク
ビニルエーテルはラジカル重合性が低いと言われていますが、反応条件によってはラジカル重合が進行します。
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電子求引性ビニルモノマーとの(交互性)ラジカル共重合
- ビニルエーテルは電子求引性ビニルモノマーとのラジカル共重合により、交互性の高いコポリマーが得られます。
- アクリル系モノマーや、フッ素系ビニルモノマーとの共重合が可能です。
- ビニルエーテルの単独ラジカル重合と異なり、特殊な反応条件は必要ありません。
単独ラジカル重合
- ビニルエーテルモノマーのラジカル重合は、側鎖のエーテル酸素の電子供与性により生成ラジカルが不安定化するため、一般に進行しません。
- 側鎖エーテル酸素の電子供与性を低下させることで、ラジカル重合が可能となります。
(例1)水酸基含有ビニルエーテルモノマーは、水酸基との水素結合により側鎖エーテル酸素の電子供与性が低下し、ラジカル重合が進行します。(左図)
(例2)水酸基を含まないビニルエーテルモノマーであっても、プロトン性溶媒中でアルカリ金属塩を添加すると、アルカリ金属との相互作用によって側鎖エーテル酸素の電子供与性等が低下し、ラジカル重合が進行します。(右図)
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ブロック共重合
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- RAFT剤を用いたリビングラジカル重合により、酢酸ビニルとのブロック共重合体が得られます。
特許6550908号
低分子反応
エン-チオール反応
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- エン-チオール反応は、チイルラジカルが求核的にビニルエーテルの二重結合に付加します。
- アクリル酸エステルよりもビニルエーテルのほうが反応しやすいと言われています。
アセタール化反応/アセタール保護
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- アルコール及びカルボン酸はビニルエーテルの反応でアセタールの形で保護することができます。
- アセタールの脱保護は一般的に酸加水分解で行います。
特許公報情報
多数の特許公報にて、ビニルエーテルを用いた材料等が報告されており、その有用性が確認されております。
様々な用途にて使用されておりますので、お客様のご用途の参考としていただければと存じます。
インク・塗料・現像剤関係
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粘着テープ・接着剤・シート関係
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インプリント・レジスト・光学部材・電子材料部材関係
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その他
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Vinylphosphonate Monomer(ビニルリンモノマー)
ビニルリンモノマーは、アセチレンのヒドロホスホリル化反応により製造します。
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ビニルリンモノマーの特徴
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- ホスホン酸ユニットは金属表面と化学結合を形成します。
- チタン、アルミニウム等へ水系処理が可能です。
- 表面処理をすることで、防錆性やラジカル反応性等機能を付与する事が出来ます。
- リン酸エステル類はリン系難燃剤として知られています。
- 高分子モノマーと共重合や単独重合体の混合により、高い難燃性を付与する事が出来ます。
- ホスホン酸ユニットとビニル基があり、二種類の異なる反応性を有する置換基があります。
当社の開発品のご紹介
- 外為法リスト規制物質に該当する可能性がありますので、輸出される際には当社へご一報願います。
E-mail:strategy@chemiway.co.jp
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期待される用途
表面処理剤、キレート剤、洗浄剤、接着性向上剤、分散剤、歯科材料
特許公報情報
多数の特許公報にて、ビニルリンを用いた材料等が報告されており、その有用性が確認されております。
様々な用途にて使用されておりますので、お客様のご用途の参考としていただければと存じます。
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